本展覧会は、斎藤義重(1904-2001)の生前より企画されていたものです。彼の死は、わが国の「戦後美術」と呼ばれていた時代が明らかに終わったことを感じさせるものでした。図らずも没後はじめての回顧展となってしまった今回の展覧会は、彼の作品が二次元的な絵画を脱し、三次元の空間を獲得したことを内外に示した1984年の回顧展に続く大規模なものとなっています(千葉会場では約120点の展示を予定)。
本展覧会会期中に、斎藤の三回忌を迎えます。
しかし、ひとつの時代が終わったことをただ回顧するだけでは斎藤の遺志が受け継がれることはないでしょう。今回の展覧会では可能な限り各時代の作品を展示・紹介することで彼の造形思考が現在に持つ意味 -その可能性と限界- を来館された皆様に感じていただけるようなものとなっています。ぜひご覧下さい。