公益財団法人常陽藝文センターでは郷土作家展シリーズ第254回として、「星のように急がず、しかし休まず 太田圭展」を開催いたします。
長野県出身で創画会を中心に作品を発表している日本画家・太田圭さんは、美術大学を目指して油絵を学んでいた高校生の頃に日本画を描いている人と親しくなり、その影響を受けて日本画に転向し東京藝術大学に進学しました。
太田さんは日本画に「無限の可能性」を感じているといいます。粒子の大きさが異なる岩絵具を熱で溶かした膠で溶いて描く日本画は、チューブから絵具を出す油絵や水彩画よりも手間がかかり、扱いが難しいとされています。しかし太田さんはその多様な選択肢に日本画の表現の広さと深さを感じ、古来からの技法を追求しつつ心象風景に取り組んできました。
太田さんは小説や詩の一説、音楽のタイトルなどからイメージした作画のアイディアを、ごく小さな画面に思いつくままに描き止めていきます。描きためたアイディアを見返しながら、具体的な花や生物の形を当てはめて構想を広げ、海や宇宙を思わせる広々とした空間を漂う幻想的な情景を展開しています。
また筑波大学教授として後進の指導にあたるほか、芸術とスポーツのかかわりを推進していく日本スポーツ芸術協会の理事を務めるなど、多方面で活躍しています。
本展では大作から小品まで13点を二期に分けて展示します。