19世紀末のウィーンでは、美術とデザインを横断する新しい芸術運動が花開きました。なかでもグラフィック・アート(印刷芸術)は、その実験精神を人々に伝える最良のメディアでした。本展は当時の代表的な作例356点を、ウィーン/書斎/夢、の3部構成により網羅的に紹介します。ポスターから蔵書票にまで浸透する美意識、版画の試し刷りや原画が伝える作家たちの熱気、そして人々に好まれた夢やメルヘンを、街角や書斎で人々が手にした視線から堪能できる好機となるでしょう。特に100点余の魅力的な装丁の数々は見どころの一つです。クリムトやモーザーらの輝かしい活躍を成立させた、グラフィック都市ウィーンへご案内します。