今から100年前の大正7年(1918)8月、名古屋を含む全国の都市で、米の安売りを求める大暴動(米騒動)が発生しました。日本軍のシベリア出兵にともない、米価が急騰したことがきっかけでした。のちに徳川美術館に勤める名古屋の日本画家・桜井清香はこの事件に衝撃を受け、名古屋で起きた米騒動を長大な絵巻に描きました。そこには米騒動そのものだけでなく、城下町からモダン都市へと変貌を遂げつつある名古屋の街並みと、そこに暮らす人々のすがたが驚くほど詳細に描かれています。本展では米騒動絵巻の全巻を公開し、関連資料や当時の写真などを交えつつ、絵巻を読み解くことで、100年前の名古屋の街へとみなさまをいざないます。