安西水丸は、1970年代より小説、漫画、絵本、エッセイや広告など多方面で活躍したイラストレーターです。はじめ広告代理店や出版社に勤め、デザイン等の仕事をしながら、嵐山光三郎の勧めで『ガロ』に漫画を掲載、南房総での幼少期を題材とした『青の時代』が高い評価を受けます。独立後は、村上春樹をはじめとする本の装幀や、『がたん ごとん がたん ごとん』などの絵本、和田誠との展覧会、広告や執筆活動など幅広く活躍しました。「その人にしか描けない絵」を追求し、身近なものを独自の感性で表現した作品は、私たちをユーモアと哀愁あふれる世界へと誘います。本展では、「小さい頃よりずっと絵を描くことが好きだった」という安西の幼少期から晩年に至るまでの足跡を、原画と資料あわせて700点以上によりご紹介します。