今夏、原美術館では、「小瀬村真美:幻画~像の表皮」展を開催します。本展は、絵画の構図を利用した映像や写真作品を国内外で発表している小瀬村真美の美術館初個展です。出品作品は、実在する静物画を模したセットを長期間インターバル撮影して繋げた初期のアニメーション作品や、ニューヨークの路上に打ち捨てられていたゴミやがらくたを用い、17世紀スペインの静物画と見紛う写真に仕上げた近作に加え、あえて自らの制作過程を露にすることで絵画および自作を批評的に再考する新作の組写真やインスタレーションなど約30点。デジタル作品でありながら、生々しさや身体的触覚、匂い、物質性をも感じさせる、実力派の小瀬村の作品の魅力に迫る機会となります。
なお、本展は五島記念文化賞の海外研修の成果を発表する場であるとともに、作家支援を目的とする原美術館賛助会員の協賛を得て開催される展覧会でもあります。