20世紀は「児童の世紀」といわれ、子どもに対して特別なまなざしが注がれるようになった時代でした。20世紀初めに相次いで行われた「こども博覧会」は、それまでの子ども文化を総覧し、新時代の子ども文化のグランドデザインを描き出すという意図のもとに行われてきた、まさに「児童の世紀」を象徴するイベントでした。
このたび、大阪府吹田市の故入江正彦氏が収集された、児童文化史に関する一大コレクションが当館に寄贈されました。その内容は、玩具、書籍、印刷物、生活用品、文房具、教育資料、商業資料、絵画、写真など多岐にわたっており、総数は約10万点にも達します。
この展覧会では、当コレクションの中から厳選した資料をとおして日本の子ども文化を総覧し、新たな世紀の「こども博覧会」をめざします。