高橋五郎氏は、楽団チルコロ・マンドリニスティコ・フローラを主宰する、マンドリニスト、指揮者でありながら、「こけし」の研究を独自に続けてきました。そのきっかけは、昭和40(1965)年にマンドリンの指導に通っていた白石女子高(現白石高)で記念として「佐藤丑蔵」と「新山久治」の2本のこけしをプレゼントされたことだと言います。そしてその時点では全くこけしに興味関心を抱いていなかった氏が、本棚に飾り朝な夕なに見ることになり、こけしの表情が気になりはじめ、まるで何かに突き動かされるかのように、蒐集、研究にうちこまれて来たのだと話されています。その足跡は半世紀にも及び、現在は貴重なコレクションの公開、数多くのこけし研究書の刊行、こけしコンクールの審査等、様々な活動を通してこけしの啓蒙、発展に尽くされています。
この度の展示では、高橋五郎氏にご協力をいただきまして、幕末から現代までの、こけしの生い立ちとその変遷をみていきたいと思います。