岸田劉生(1891-1929)は38年という短い生涯にもかかわらず、画家として極めて振幅の大きい道程をたどりました。白馬会の洋画研究所で外光派の画風を学んだ初期、精緻な写実を追求し「内なる美」の探求へと進んだ中期、一転して宋元画や初期肉筆浮世絵、南画などの東洋的な美に影響を受けた後期と、その足取りを振り返る事が出来ます。本展覧会では、《自画像》《麗子十六歳之像》《村娘之図》などをはじめとする数々の代表作に加え、娘 麗子が随所にちりばめられた装丁画も出品され、油彩、水彩、墨画、素描、版画作品などに関連資料を含めた150点により劉生芸術の全貌を紹介します。