今年は琳派の酒井抱一(さかいほういつ)(1761-1828)の没後190年、および鈴木其ー(すずききいつ)(1796-1858)の没後160年にあたります。当館ではこれを記念し、江戸時代、俵屋宗達(たわらやそうたつ)・尾形光琳(おがたこうりん)・抱一を中心に花開き、近代・現代の日本画家やデザイナーに受け継がれた琳派の伝統をたどる特別展を開催します。
本展では、当館所蔵の琳派コレクションを中心に、宗達(絵)・本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)(書)《鹿下絵新古今集和歌巻断簡》 (当館蔵)、光琳《白楽天図》*、抱一《秋草鶉図》【重要美術品】 (当館蔵) をはじめとする琳派の優品の数々を展示します。また、近代・現代における琳派の継承のあり方にも注目し、速水御舟(はやみぎょしゅう)や加山又造(かやままたぞう)など、琳派に影響を受けた日本画家の作品をご紹介します。さらに、「琳派は <日本のかたち>の原型だ」と述べ、琳派のエッセンスを散りばめた作品を発表したグラフィックデザイナー・田中一光(たなかいっこう)のポスターも展示し、17世紀の宗達、光悦に始まり、20世紀の一光へと受け継がれた琳派の造形の魅力に迫ります。
*前期;5/12~6/3展示