美人画は、世界に類を見ない日本特有の絵画で、鏑木清方は江戸そして東京の女性美を作品に描いたことで広く知られています。
若い頃、挿絵画家を目指して師である水野年方(みずのとしかた)や、尊敬する武内桂舟(たけうちけいしゅう)、梶田半古(かじたはんこ)の美人画を勉強し、後に日本画家を志してからは近世以降の美人画の変遷を時代風俗とともに研究しました。
清方は、美に対する憧れの心を投影し、さらに美人研究の成果を結実させ、江戸の香り高い粋と品格、そして季節の美しい風情にみちあふれた数々の名作を描きました。
本展覧会では、市井の女性や文学作品に登場する女性に取材した清方の美人画作品を中心に紹介いたします。