しがらみに纏わり付かれながら、信念を貫いたサムライは、生きるために様々なものを纏ってきました。着飾った装束や甲冑、陣羽織に始まり、火事の時には火事装束を身に纏って陣頭指揮をとっていました。また、腰物には所有者の教養の高さと精神性を、身だしなみを整える上で香を、戦に出たときのお守りとして御刀に神仏の加護を纏いました。さらに、嗜みとして、様々な古典を学び、芸能や武術にも長けていました。本展では、これらの自身が纏うものに加え、馬に纏わせていた鞍や鐙、火縄銃や御刀を保護するための鉄砲筒や刀筒も展覧いたします。こうした、サムライたちが纏ってきたものをご覧いただくことで、今、我々が纏っているものの意味を考える場を提供することができれば幸いです。
また、この度の展示におきまして、様々な機関と連携協力を行います。まず、カルチャーゾーン内の岡山県立博物館・岡山城天守閣と甲冑を軸とした連携展示を行います。同時に、岡山後楽園・野﨑家塩業歴史館とともに「岡山後楽園能舞台復元60周年記念事業」を推進し、能装束や能面などを協力展示いたします。さらに関西大学との共同調査による成果として、サムライの教養について岡山藩主池田家資料の一部を初公開いたします。
こうした連携展示を通して、多様なサムライ文化をご紹介いたします。