19世紀激動のヨーロッパ、オーストリア・ハンガリー二重帝国の皇妃エリザベート(1837~1898)は、わずか16歳にして13世紀から続くヨーロッパ王家の名門ハプスブルク家の皇后フランツ・ヨーゼフ1世に嫁ぎます。しかし、古いしきたりの宮廷生活にはなじめず、生涯自らの美と自由を追いつづけました。そして、宮廷を離れた孤独な旅の果てに、テロリストの暗殺により非業の死を遂げます。
100年の時を超えて現在、エリザベートはその類稀な美貌と数奇な運命によって伝説となり、映画やミュージカルなどを通しヨーロッパをはじめ日本でも多くの人々の心を捉え続けています。
本展では、幼少期から死に至るまでをいくつかのテーマに区切り貴重な遺品・家具・食器・衣装・肖像画・写真などでエリザベートの波乱に満ちた生涯を展観し、「エリザベート伝説」を解き明かします。オーストリアやハンガリーをはじめヨーロッパ各地の美術館や個人秘蔵の遺品などから選り抜かれた初公開の品々を多数含む120余点が出品されます。