浮世絵の美人画で一時代を築いた喜多川歌麿が急死した後、世間が求めていた歌麿風美人画で売り出し人気作家となったのが菊川英山です。歌麿風の美人画でしたが、歌麿とはちがった上品で穏やかな女性を描きました。
英山の人気は長続きせず、大衆の好みは、色香を全面的に出す、粋であだっぽい美人画に移っていきます。この大衆の好みをうまくつかんだのが、英山の弟子の渓斎英泉と、歌川国貞のちの三代歌川豊国でした。
浮世絵の美人画は、その時代の大衆の好みを優先に描かれました。江戸時代末の浮世絵美人画をリードした、英山、英泉、国貞(三代豊国)の描く美人画をお楽しみください。