八田隆は,鹿児島らしい黒々とした桜島溶岩を素材にして作品を制作しています。
荒々しい岩肌と繊細な配置による空間は,ズシンとくるような存在感と同時に余白がつくる美も感じさせます。自分が手を加えることによって石本来の自然美を失ってしまうのではないかという恐れと常に戦いながら生み出される作品は,溶岩のもつ独特な雰囲気に手を加えることによって,日本特有のミニマリズムやもの派に影響を受けた作家の感覚とともに,言葉を超えたカタチとして昇華されます。どうぞアートの森所蔵作家でもある石彫家の本格的な彫刻展をお楽しみください。