長井朋子の作品には、森や部屋の背景に、たくさんの動物たちや、女の子、色とりどりの木やキノコなどが、まるで劇場のように配置されています。様々なモチーフが散りばめられた作品はどれも、空想の物語の世界が凝縮したような躍動感とイメージの層が複雑に重なり合う独特の空間性をもっています。絵画に加えて、立体制作や、インスタレーションも行う長井の作品は、多彩なマチエールや筆致、素材が不思議なリズムとなり、まるでひとつの音楽を奏でているかのようです。この旋律を感じる事で、わたしたちはいつの間にか彼女の作品世界の中に入り込んでいるのです。小山登美夫ギャラリーでは3年ぶりの個展となる本展では、2006年からこれまで制作してきた作品を、新作と共に展示いたします。長井の大切なアトリエから生まれてきた作品が作り出す、魔法がかかった夢のような世界をぜひご堪能ください。