写真と見まがうような、いやそれ以上の現実感を湛えた独特の画世界によって、見る者に強烈なインパクトと感動を与える吉村芳生(1950-2013)。
その作品は、鉛筆や 色鉛筆を用いて、写真をマス目ごとに克明に写し取るという、まさに驚異的な手技によって生み出されています。その誰にも真似できないと思われる超絶技巧を、息子・吉村大星(1992-)は、独自の表現として深化させつつあります。主に野良猫をモチーフとした鉛筆画は、記憶や想いが時間とともに熟成し、客観的であると同時にある種のノスタルジーを感じさせるような独特の魅力に満ちています。
見るたびに新しい景色を見せてくれる吉村芳生。今まさに進行形の表現を展開する吉村大星。 出品総点数は、約80点。同じ手法で異なる境地を示す吉村親子初の規模となる競演をご覧ください。