明治29年(1896)、東京美術学校(現・芸大)に西洋画科が新設されると、当時新進気鋭の洋画家として注目されていた黒田清輝と久米桂一郎がその授業を嘱託されました。その2年後には教授となり、久米は昭和7年(1932)までに実に36年もの間、美術解剖学、考古学、フランス語などの授業で教壇に立ちました。
その間の教え子は、西洋画・彫刻・日本画・図案・図画師範・彫金・鋳金・金工・漆工などの各科にわたり、1500名以上に上るといわれています。彼ら学生の中からは、昭和・平成を代表する芸術家たちが数多く誕生しています。
今展は、平成4年、久米美術館の開館10周年を記念して、西洋画科の教え子を中心とした有志の方々からいただいた作品の一部と、久米・黒田の作品を併せて展示する恒例の展覧会です。