奈良県立万葉文化館は、万葉のふるさと・奈良にふさわしい「万葉集」を中心とした、古代文化の総合文化拠点です。平成13(2001)年、奈良県明日香村飛鳥の地に開館し、奈良県中南和地域の観光拠点の中心としても多くの方々に親しまれています。
奈良県立万葉文化館には、現代の日本画家によって『万葉集』に詠まれた和歌をモチーフに制作された「万葉日本画」がコレクションされています。平山郁夫、片岡球子、絹谷幸二など、戦後を代表する画家が『万葉集』を解釈し、イメージを膨らませて描いた作品には、『万葉集』の中に息づく自然へのまなざしと現代の画家の感性が交差しています。
日本では、古来より四季の移り変わりが人々の注目を集めていました。最古の歌集である『万葉集』でも、季節ごとに歌を分類した巻八、巻十の存在が示すように、四季は重要な役割を果しています。
本展覧会では、「万葉日本画」コレクションのなかから、春夏秋冬それぞれの季節(セゾン)をテーマに描かれた作品をセレクトし、「万葉のセゾン」と題して折々の色が作り出す四季をご覧いただきます。本展覧会を通して、古代から続く日本の四季の美しさをお楽しみいただければ幸いです。