大展示室では、大谷コレクションの中から、《カフェの男》や、前館長米一が直接ビュフェに依頼して制作された《二羽の鳥(つる)》など、ベルナール・ビュフェの油彩画を中心に、同時代の作家クロード・ワイズバッシュ、ポール・ギアマンらの作品、詩人アポリネール旧蔵のモーリス・ド・ヴラマンク《花束》やキース・ヴァン・ドンゲン《花》などを展示いたします。
また今回は、特別にプライベート・コレクションであるベルナール・ビュフェの石版画より、《ニューヨーク》シリーズ全10点を展示いたします。
1928年パリに生まれたベルナール・ビュフェは、1999年10月4日、自らの人生を終わらせるまで、画家として精力的に活動をつづけました。それらの油彩、版画の中には、「パリ」、「ヴェニス」など世界の都市風景を描いた作品が数多くあります。石版画《ニューヨーク》シリーズもその中のひとつで、摩天楼が、ビュフェ独特の黒い線で堂々と描かれています。
一昨年の同時多発テロなど、様々な面でアメリカ、ニューヨークは今、世界から注目されています。世界貿易センタービルこそまだ建設されていませんが、ビュフェの目を通した1964年のニューヨークをご鑑賞下さい。
また、小展示室では、大谷コレクションから陽春・初夏を感じさせるオーリオルらの版画を展示いたします。