文化勲章受賞者で、今日の日本画に重要な足跡を残された奥田元宋氏(1912-2003、広島県出身)は、去る2月15日に急逝されました。生前は、自然を対象にした多彩かつ深遠な作品で知られ、日展を中心に精力的に活動を展開されました。本展では、富山県を代表する剱岳を題材にした作品や「元宋の赤」と呼ばれる赤を基調色とした慈照寺(銀閣寺)の障壁画作品(非公開)を含む、初期から水墨による最新作までの代表作65点(うち写生13点)によって、自然をもとに、独自の幽玄なる心象風景の世界として創出された奥田元宋氏の優れた画業を紹介いたします。