このたび「表象への祈り 吉仲正直展」を開催いたします。
吉仲正直(1942-2016)は大阪に生まれ、早稲田大学において美術史を学びます。大学卒業後就職しますが、26歳の時に画家になることを決意し、油絵やテンペラなど、様々な技法を独学 で習得します。
東京、大阪、アジアを中心に幅広く活動を展開、1988年には文化庁芸術家在外研修員として韓国に留学し、1989年には現代日本美術展において東京国立近代美術館賞を受賞するなど、その実力は高く評価されています。また、大阪芸術大学では長年にわたり教鞭をとり、後進の育成にも尽力しました。
吉仲の作品は、年代により大きく変化していきますが、一貫して線描に特徴があります。デッサンする行為を「実践哲学」と位置付け、制作された作品は、現代美術のなかにおいて特異な存在感を放ちます。
本展覧会では、最晩年に制作された未発表の作品を含め、代表作約50点を展覧する初めての回顧展になります。この機会に是非御高覧ください。