名古屋ボストン美術館の開館(1999)からさかのぼること100年あまり。若きアメリカの思想的な先端地であったボストンでは、アジア地域への関心が高まりつつありました。東洋思想が説く幸せのあり方―心の平安―を求めて日本に渡ったフェノロサやビゲローの収集品は、今日のボストン美術館の東洋美術部門の基礎となっています。
20年間にわたり多数の展覧会を開催してきた名古屋ボストン美術館の最後の展覧会では、ボストン美術館の所蔵作品から、古今東西の人間が求めてきた「幸せ(ハピネス)」について思いを巡らせていきます。これまでの展覧会で名古屋にやって来た懐かしい作品の数々に加え、本展覧会のために修復された曾我蕭白の幻の襖絵《琴棋(きんき)書画図》も日本初公開となります。どうぞお見逃しなく!