ルネ・ラリック(1860~1945)は、優れた宝飾デザイナーであると同時に、豊かな感性と斬新な発想で独特の表現様式を確立した偉大なガラス作家でもありました。彼が活躍した1920年代はアール・デコ様式が全盛の時代で、ラリックはガラスのもつ造形美の可能性を花器、香水瓶、インテリア、さらには建築空間などあらゆる分野へ広げました。そして、1925年の現代装飾美術国際博覧会(通称アール・デコ博覧会)で世界的な名声を得ると共にその芸術性と産業を融合させた功績は高く評価され、以後のガラス芸術の発展に大変重要な示唆を与えました。本展では作品230余点を展観しルネ・ラリックのアール・デコ様式の代表的なガラス芸術の全貌を紹介します。