広告写真家 白鳥真太郎は長野県松本市で100年以上の歴史を刻んで来た『白鳥写真館』の四代目として生まれました。大学卒業後、広告写真家としての道を選び、1999年にはその時代を代表する120人のポートレートを撮影し、写真集『貌 KAO 白鳥写真館』として出版しました。
白鳥が撮影した企業広告としての作品は、ポスターをはじめ新聞、雑誌など印刷メディアはもとより、テレビコマーシャルなどにも多く、今や私たちの眼に触れない日は無い程です。ですが、一般に撮影者として白鳥個人の名は出ることは少なく、広告の印象が私たちの記憶に残ることになります。 白鳥は、広告写真としてのポートレートを数多く撮ってきましたが、契約終了後には作品は残りません。そこで、芸術や文化、学術など様々なフィールドで活躍するアラウンド 団塊世代(1945年~54年生まれ)の"達人"に照準を合わせ、3 年の歳月をかけ、100人が語るメッセージを肖像写真に込めました。それは「これまで」をどのような「これから」につなげていくのだろうという、レンズを通して被写体へ向けた白鳥自身の問いかけでした。それに対して、エネルギッシュな活動を続ける100人の"達人"たちの「 貌(かお) 」からは、未来への意気込み、社会貢献への熱い気持ち、そして人間讃歌の想いが溢れています。
写真集には取材をした被写体の方々の言葉が掲載されています。