日展三山と称される杉山寧、髙山辰雄、東山魁夷は、戦後の日本画壇において、革新的に画業に突き進み、各々が偉大な表現の力を発揮しました。精力的な日本画制作はもとより、雑誌の表紙絵も手掛けたことで、広く一般に日本画の魅力を知らしめたという点において、三者は共通しています。
本特別展では、蘭島閣美術館ならびに角川文化振興財団の特別協力を得て、杉山寧と髙山辰雄の『文藝春秋』表紙絵の世界を紹介します。
東山魁夷においても、『保健同人』、総合雑誌『日本』、そして文芸雑誌『新潮』の表紙絵を手掛けており、そのデザインの力は、さまざまな分野で発揮されています。なかでも、劇場の緞帳や歌舞伎筋書の表紙絵、そして歌舞伎衣裳などに示された鮮烈なデザインには、日本画表現のうえに新たな可能性を見出したことが理解されます。
戦後の日本画壇を牽引した杉山寧、高山辰雄、東山魁夷の美の饗宴をお愉しみください。