役者絵は美人画と並ぶ浮世絵の主要な主題で、江戸時代の娯楽の王様である歌舞伎の人気役者を描いた浮世絵です。初期の役者絵は役柄が中心で似顔表現がとられませんでしたが、明和年間(1764-72)に勝川春章らにより役者似顔絵が描かれるようになりました。さらにはその表情を大きくとらえる大首絵が描かれました。
1794 (寛政6)年に登場した東洲斎写楽は役者の欠点まで描くリアルな表現の絵を描きました。しかし写楽の絵は当時の役者ファンには不評だったようです。当時人気があったのは歌川豊国らで、その後三代歌川豊国など歌川派の絵師によって多くの役者絵が描かれました。
今回の展示では写楽の「三代目坂田半五郎の藤川水右衛門」や、勝川春章、歌川豊国、三代歌川豊国らの役者絵を展示いたします。茂木本家美術館の「いい男」たちをご覧ください。