マンダラは、約1500年前にインドに生まれ、ネパール、チベット、中国などに伝えられました。日本にも空海たちによってもたらされました。
マンダラは悟りを求めて修行をする際の心の案内図の約をしたり、弟子が入門するときの儀式などに用いる道具あるいは舞台装置となったりします。
マンダラは一般に絵として描かれたものを意味しますが、世界(宇宙)も、われわれの身体も、さらにはひとりひとりの心もマンダラと呼ばれます。例えば、京都で毎年行われる大文字送り火のときに、盆に張った水にかの「大」の文字を映してその水を飲みます。この行事をたとえに用いますと、「大」の文字を浮き上がらせている山、盆の水に映った山、それを見た人の心の3つはそれぞれマンダラと呼ばれるのです。
このようにマンダラは、世界と心が元来は同じものであることを体験するための道具なのです。
マンダラは仏たちの住む聖なる世界です。ですから、その中に人々を招き入れることによって人々の心を清めるはたらきをします。
今回の特別展では、マンダラに住む仏たちの種類を5つのグループに分けて展示し、そして仏たちの住む宮殿のしくみを模型などで見ていただきます。2種類の立体マンダラの中に実際に入って、仏や女神に囲まれた空間を体で感じてください。