『かくれ里』や『十一面観音巡礼』で知られる随筆家・白洲正子は、明治43(1910)年、樺山伯爵家の次女として生まれました。幼少から能に親しむなど伝統文化に囲まれて育ち、14歳でアメリカに留学。帰国後、日本の復興に尽力することになる白洲次郎と結婚します。戦後は、小林秀雄、青山二郎など日本文化の巨匠たちと交流を深め、文学・古典・古美術の世界へ傾倒、そこから吸収したものを随筆、評論として発表し、生涯、自分を「どきどきさせるものだけがうつくしい」という自身の価値観を貫きました。本展では、「白洲好み」といわれる骨董や日常の品々、次郎とともに築き上げたモダンなライフスタイル、そして匠たちの仕事など、美意識の結晶約130点を一堂に展観。白洲正子の世界―日本の美の神髄に迫ります。