女子美術大学理事長であり北里研究所所長である大村智氏は、世界の動物薬の売上げ1位でありまた失明のおそれのある熱帯病オンコセルカ症の特効薬でもある医薬品エバーメクチンなどの画期的な医薬品を発明し、天然物有機化学の研究者として知られる一方で、美術をこよなく愛する人としても知られています。氏のコレクションは日本画・洋画・陶器・工芸・彫刻と多岐にわたり、収集した作品は千点余りになります。今まで、大村コレクションの公開はごく限られていましたが、氏の快諾を得まして、女子美アートミュージアムに続き、第2回展を開催するはこびとなりました。
このたびは、氏のコレクションの中より女子美術大学を1960年以前に卒業した作家の作品百余点を選び出し、画壇における女流先駆者たちの活躍の軌跡をご覧いただきます。女性のもつ繊細で優しく、しなやかでありながら力強い美的心を感じ取っていただけると存じます。
また、今回は同時開催として、女子美術大学卒業生でもあり、日本芸術院会員で文化勲章受賞者である片岡球子画伯と勲三等宝冠賞を受賞され女性洋画家初の文化功労者で尾西市名誉市民となった三岸節子画伯の大作19点もあわせてご覧いただきます。