絵画を解体し、組み立て再構成するような試みは、今日的テーマとして継続されていると認識している。
絵画という形式にこだわらず、単にインスタレーションと断言すれば良いのだろうが、未だに枠と絵画の形式にこだわっている。しかしそこに意味があるのだろうかと思いながらも続けている。
今回は5つの絵画と1つのパフォーマンスとしての絵画を展示する予定。
5つの絵画といっても、解体された、再構成された、レディメイドの集合品的な、絵画というよりもインスタレーションに近いものだが、感覚に忠実に表現したいと思っている。
もう1つは最近行く先の海外で進めているパフォーマンスとしての絵画。人が入れるサイズのボックスに、透明ビニールやトレーシングペーパーを張ったものをタブローと見立て、中から絵が描かれて行く様子を日々見せるもの。中に入る自身は、アイデンティティを隠すため白い装束を着、日々その土地にまつわる昆虫を描く。描くことと同時に起こるコミュニケーション。同時性が起こす、絵画のインタラクティブ性を求めて。または自己の存在から逃げるようにして。