当館の斎藤清コレクションは、開館にあたり1980年に作家本人よりその代表作をご寄贈いただいたのが始まりです。最終的には約500点にもなった作品に、斎藤はどのようなメッセージを込めたのでしょうか。苦難の少年時代を過ごしながら絵画の道を志し、版画を始めた初期の作品から、サンパウロ・ビエンナーレで在サンパウロ日本人賞を受賞し国際的な舞台で活躍した50年代の作品、新たな技法に挑戦した60年代の作品、ライフワークとして再び《会津の冬》に取り組んだ70年代の作品、さらに晩年の作品まで、約230点の作品と資料でその画業を振り返ります。展覧会は2部構成で、第1部では表現・技法に触れながら、代表作でその画業を通観します。第2部では福島との関わりに着目し、特に1970年からの《会津の冬》シリーズ全115点を展示します。多彩で魅力あふれる斎藤清芸術をご堪能ください。