収蔵品より、平塚運一の描いた人物版画を特集します。風景版画に見られる太く力強い線や、空気までも表現しようとした色使いは、人物を描こうとしたときも変わることなく画面に表れています。
人物画や裸婦像は、絵画の主題としてはとても一般的なものです。版画の世界でも、江戸時代の浮世絵や大正時代の伝統木版画で美人画が多く描かれてきました。当館収蔵品の「創作版画」と呼ばれる版画作品の主題としては、風景画の方が一般的だと思われがちですが、魅力的な女性像も描かれています。平塚の版画作品の中から、人物が描かれているものを中心に紹介します。