没後5年となる湘南ゆかりの彫刻家、神山明(かみやまあきら、1953-2012)と、近年画境の進展著しい日本画家、濱田樹里(はまだじゅり、1973-)の大作を紹介します。
神山明は長く横浜市に住んだ彫刻家で、東京藝術大学大学院を修了後、杉材にオイルステインを施し、三日月や星の形、さらに小屋や塔、階段などを組み合わせた風景彫刻ともいうべき作品を制作し、日本国際美術展、サンパウロビエンナーレほか国内外の展覧会に出品を重ねます。小屋の内部も精緻に作り込みを施した建築のようでありながら、その作品世界には全体に人間の気配が感じられ、どこか懐かしくわれわれの記憶を呼び起こします。東海大学で教鞭をとるなど後進の育成にも尽しますが、2012年に59歳で他界しました。本展は没後公立美術館として初となる回顧展として、その作品世界を一堂に紹介します。
一方、濱田樹里はインドネシア生まれ。愛知県立芸術大学、及び大学院で日本画を学び、2000年に上野の森美術館大賞展入選。2010年損保ジャパン美術財団選抜奨励展に出品。愛知県立美術館や一宮市三岸節子記念美術館で個展を開き、2012年には第5回日経日本画大賞展で大賞を受賞。翌年愛知県文化選奨文化新人賞受賞。日本画の画材で草花を描きながら、その印象はダイナミックかつエキゾティックで、動きに満ち大地を覆う生命力が象徴されています。
本展は、神山明の作品およそ12点と、濱田樹里の幅16メートルを超える作品4点により、対照的な作品世界をひもとくものです。