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: 会場住所、交通案内、ホームページ、問合せ先等の情報は、展覧会チラシを元に作成しており、当該展覧会開催時の内容となっております。最新の情報とは異なる場合がありますので、ご注意ください。
2020年3月以降の展覧会情報については変更(延期、中止等)となっている場合が多くなっていますので、特にご注意ください。
タイトル等
試論:栄光と終末、もしくはその週末 / Week End
田村友一郎[アーティスト]服部浩之[キュレーター]
会場
小山市立車屋美術館
会期
2017-09-23~2017-11-26
休催日
月曜日、第4金曜日、祝日の翌日
開催時間
9:00~17:00
(入館は閉館の30分前まで)※敷地内にある小川家住宅の入館は16時までとなります。
観覧料
一般400円(300円)|高校・大学生250円(150円)|中学生以下無料
※( )内は20名様以上の団体料金
主催者
小山市立車屋美術館
協賛・協力等
助成 || 公益財団法人 朝日新聞文化財団
協力 || Yuka Tsuruno Gallery
後援 || 朝日新聞社宇都宮総局、エフエム栃木、産経新聞社宇都宮支局、下野新聞社、テレビ小山放送、東京新聞宇都宮支局、とちぎテレビ、栃木放送、毎日新聞宇都宮支局、読売新聞社宇都宮支局
概要
「人間が同じ一つの場所に何十年も、何百年も住み着いて、こつこつと自分たちの生活を築いて行くことから文化が生れる。」ⅰとは、戦前から戦後にかけて世界の様々な都市に暮らした英文学者の吉田健一のことばです。これまで私たちの生活とそれを支える文化は、長い時間をかけて、それぞれの土地の環境に応じてゆっくりと発展してきました。
現在の世界は、たった50年前と比べても人口は既に2倍以上に達しⅱ、様々な技術開発がなされ、交通手段も飛躍的に発達し、人は自由に世界を往来するようになりました。とくにこの十数年のインターネット環境の発展によって国境を超えたコミュニケーションを容易にしたことは、土地と人と文化の関係に大きな転換をもたらしました。
日本では、先祖代々の土地を離れる人が増え、大都市とその近郊に人が集中しています。生活圏の大きな部分を郊外が占めるようになり、郊外はどこも似たような風景が広がっているというのは、多くの人が経験的に得ている実感でしょう。また、様々な地域で国内の移住者だけでなく外国人居住者も増加している現在、同じ地域に長く暮らしてきた人々と、外から来る人々が有機的に交わる状況はあるのでしょうか。むしろ場所を超えたコミュニケーションを可能にするインターネットなどの登場により、その断絶は進んでいるのかもしれません。そのような現在において、地域独自のコミュニティや文化の形成は果して可能でしょうか。
本展が実施される小山市立車屋美術館は、旧日光街道(現国道4号)沿いのかつての間々田宿に位置します。街道沿いには宿場の面影が所々に残されてはいますが、おしなべて日本のどこにでもあるロードサイドの風景が広がり、典型的な郊外都市という印象を受けます。小山市は、東京都心まで電車で約1時間半とアクセスもよく、10年程前と比較すると数千人規模で人口がなだらかに増加しており、郊外には珍しい右肩上がりの都市と言えるかもしれません。しかしその一方で日本全体に目を移せば、2011年を境に人口は少しずつ減少に転じています。ⅲ少子高齢化はますます進み、都市部においても空き家増加の深刻化や資困など、様々な問題が発生しています。そのような状況を延み、長いスパンで考えると、現在成長傾向にある都市であっても、近い将来の様相は決して楽観視はできないのかもしれません。
それらの状況を踏まえ、本展は、バブル期を経て今日に至るまでの社会の変動によって、都市の風景や私たちの生活がいかに移り変わり、今後私たちはどのような未来を描くことができるか、小山市立車屋美術館が立つその場所性や歴史、また美術館を取り巻く環境や建築の特異性といった要素を通して、あらためて考える契機とするものです。
ゲストキュレーターとして本展を企画する服部浩之は、建築を学んだ背景から、社会の諸問題と都市の風景、そこに根付く生活文化に関心を持っています。本展では、都市/生活/身体/メディアなどをキーワードにこれらの諸問題を探求すべく、アーティストの田村友一郎を招いて新たなプロジェクトに取り組みます。田村は、写真と映像を専門的に学び、アーティストとして活躍する以前は「暮しの手帖」編集部でカメラマンとして働いたユニークな経歴をもつなど、まさに「都市/生活/身体/メディア」の関係を探求してきたアーティストと言えます。
服部と田村は約一年前から小山市を定期的に訪れ、観察し、議論を重ねてきました。その過程で、服部は小山市立車屋美術館の成り立ちや独自の規模感、そして美術館に内包されるプライベートとパブリックが侵食しあう特異なあり方に興味を持ち、公共施設としての美術館の可能性を改めて考えています。対して田村は、美術館の公用車である「日産グロリア」に着目しました。戦後の高度経済成長から導かれた豊かな生活を象徴する存在であった車から、日本の地方都市の現状や、将来の姿へと切り込んでいきます。本展では、この日産グロリアを起点にしつつも、小山市にゆかりのある著名人の取材・調査や車屋美術館を舞台とした映画の制作などを通して、交わることはあり得ないと思われる複数の出来事や物語を接続していくことで、現在を逆照射するパラレルワールドを築きます。
ますます先の見えにくくなりつつあるこれからの社会に対して、私たちはどう過去と折り合いをつけ、より良い生活のあり方を見出すことができるのでしょうか。芸術という術を介して考えていきたいと思います。
ⅰ吉田健一「地を這う文化」、『甘酸っぱい味』ちくま学芸文庫、p36, 1.5-1.6
ⅱ国連人権基金東京事務所websiteより http://www.unfpa.or.jp/publications/index.php?eid=00033
ⅲ総務省統計局「人口の推移と将来人口」より http://www.stat.go.jp/data/nihon/02.htm
イベント情報
オープニングセレモニー
アーティスト&キュレーターギャラリーツアー
日時 || 2017年9月23日[土] 14:00ー
場所 || 小山市立車屋美術館
その他イベント
詳細は、追ってウェブサイトなどで発表します。
ホームページ
http://tamura-hattori.exhb.jp/
会場住所
〒329-0214
栃木県小山市乙女3-10-34
交通案内
電車
・JR宇都宮線 間々田駅西口より徒歩5分
(4号線に向かって直進、4号線沿いにある和田屋菓子舗の角を右折し、少し歩くと右側にあります。)
自動車
・東北自動車道 佐野藤岡ICより国道50号経由、国道4号東京方面へ 約26km
・小山駅より 国道4号東京方面へ 約8km
ホームページ
https://www.city.oyama.tochigi.jp/site/kurumayamuseum/
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