1947年、岩手県一戸町生まれの田村史郎は、父・貞吉と親交のあった同町出身の彫刻家・舟越保武(1912-2002)のすすめで1966年、東京造形大学造形学部美術学科に第一期生として入学。佐藤忠良(1912-2011)・岩野勇三(1931-1987)らに指導を受ける傍ら、舟越のアトリエに通い学びました。大学卒業後も研究生として研鑽を積んだのち同校で後進の指導にあたり、2012年教授職を定年退職するまで多くの学生を育ててきました。
作品は、1980年代より木を素材とした制作を中心に、新制作協会・新制作展を発表の場としています。「女性」「家族」「子供」などをテーマとした木彫作品からは、人体そしてそこに宿る命を見つめる彫刻家のあたたかなまなざしが感じられます。
この展覧会では、1980年代から近作まで田村史郎の作品を紹介し、その歩みを振り返ります。