平成29年度美術部門テーマ展示の二回目となる本展示では、戦国時代から幕末までの約三〇〇年間における、藩主などの為政者を中心とした鳥取の美術の流れを紹介します。
美術作品を、「美術史」という歴史的流れの中に位置づけたとき、各作品は時代を映す鏡として、その時代を雄弁に語り始めます。それはそれぞれの作品が、制作当時の政治的・思想的背景や文化的土壌、土地の風土などの積み重なりの上に生み出されたものだからでしょう。
鳥取藩の美術も、池田家の、ひいては徳川幕府の政治体制や思想と切っても切れない関係にあります。本展では、鳥取藩の歴史の中で、絵師たちがいかなる役割を果たし、どのような展開をみせたのかを紹介するとともに、鳥取藩が他藩とは異なるどのような文化的特性を持ち得たのかを探ります。