刻一刻と移りゆく自然の一瞬を掬いとるように。どこまでも高い空、鮮やかに色づく草木と花々、優しい風、赤く熟れた実、秋を彩る絵付けのうつわたち。
ふと立ち止まって感じる季節の移ろいを、ていねいに情緒的にガラスに映した作品を作り続けている西山雪さん。サンドブラストを施した部分にエナメル彩で色を差し、更に手書きで文様を加えていくという、手の込んだ技法に取り組んでいます。
「犬との散歩の傍ら、陽の光りや風の匂いに季節を感じ、目に止まったものをスケッチしたり、写真を撮ったり、水彩画を描いたりしています」と、話す西山さん。北海道の自然環境を全身に浴びながら、制作のテーマが次々と湧き出てくるようです。
「生命力を感じるものに心が奪われる、、、ということに最近気がつきました。切られても切られてもはびこる雑草や、必ず付いている虫。アザミの花を書き始めて、違う場所のアザミを見に行ったら葉っぱがちょっと違ったりして。生命がリンクして巡回して生きていることに、しみじみ感じ入ります」と。
西山雪さんが初めて挑む『秋』がテーマの作品展です。
西山 雪