福島県立美術館は、昭和59年に開館して以来、同県に関連する作品や国内外の優れた近現代美術の作品を中心に収集していることで知られています。なかでも、アンドリュー・ワイエス、ベン・シャーンを中心とする20世紀アメリカン・リアリズムの系譜に連なる作家たちと、大正期の夭折の洋画家 関根正二のコレクションは特筆すべきものです。
本展は、同館のこうした特色あるコレクションから、絵画と版画の代表的な作品約100点を選んでご紹介するものです。まず、海外からは、ワイエスとシャーンを軸に、ピサロ、ゴーギャン、ルオーなどの作品を。国内からは、関根正二を中心に村山槐多、岸田劉生、松本竣介などの洋画、下村観山、速水御舟、安田靫彦などの日本画の名品をご覧いただきます。また、会津出身の版画家 斎藤清の作品も出品いたします。
さらに、当館に寄託されているワイエスの作品も特別に同時展示いたします。これにより、16点のワイエスの作品が並ぶというのも見所のひとつです。
なお、本展は新潟県と福島県の連携・交流事業の一環として、両県の県立美術館の所蔵作品を交換する展覧会であり、同時期に福島県立美術館では「新潟県立近代美術館所蔵 日本近代美術の名作展」が開催されています。