1970年代から一貫して《光》の探究を続けた写真家・田原桂一。病のため本年6月に他界する直前まで準備に傾注した本展は、ダンサー・田中泯との類まれなコラボレーション(1978~80年および2016年)を紹介するものです(展示という形では日本初公開)。
1971年、20歳で渡仏した田原桂一は、パリを拠点に写真家として活動し、高い評価を得ました。1978年秋、ユニークな身体表現で注目されていた田中泯と出会い、二人で《光と身体の関係性》の探究を始めました。ヨーロッパ、アメリカ、そして日本―さまざまな都市や大自然の場と切り結び、異なる光や大気や季節に反応するダンサーを、写真家がイメージへと昇華していきよす。しかし、3年にわたる濃密なフォトセッションは何故か発表されることなく歳月が流れました。2016年になって、それぞれキャリアを積み重ねてきた二人は《原点回帰》を決め、ようやく写真集「Photosynthesis 1978-1980」を出すと同時に、36年ぶりに新作を撮りました。
本展はこのプロジェクトから厳選した写真作品46点を展示いたします。また、本展会期中、田中泯が二人のコラボレーションの締めくくりとして当館でダンスを行います。