日本有数の現代美術コレクションであるタグチ・アートコレクションを中心に、現在活躍中の若手作家2名の作品をご紹介します。
アイリランド出身のリチャード・モス(1980-)は軍事目的で開発された赤外線フィルムを用いて、アフリカ、コンゴ民主共和国の内戦を撮影した作品が評価され2013年のヴェネツィア・ビエンナーレでアイルランド代表作家となりました。2014年からは、中東やアフリカからヨーロッパへと向かう難民の移動ルートを取材し、赤外線サーマルカメラで撮影しました。コンゴを取材した『Infra』シリーズの作品を中心に、『Heat Maps』シリーズより難民キャンプを撮影した《モリア》も合わせて展示します。
フィリピン生まれのマリア・タニグチ(1981-)は、大画面のカンヴァスにレンガのような矩形のモチーフを描く“ブリック・ペインティング”と呼ばれるシリーズや立体作品、さらにビデオ・モニター作品など、絵画、彫刻そして空間芸術の境界を軽やかに超える活動で2015年ヒューゴ・ボス・アジア・アート・アワードに輝きました。今回は、タグチ・アートコレクション所蔵の絵画作品と映像作品に加え、4月に東京で発表した新作立体作品もあわせて展示します。
今後も国際的な活躍を期待される2人の作品を是非ご覧ください。