家の窓から赤いライトの明滅と、遠くの街の光が見える。それらは絶え間なく光をともし、夜の街を照らし続けている。夜の都市は看板やさまざまなものが光り、夜を感じさせないほど明るく、空を不気味な色に染めていた。
古い建物がつぎづぎと壊されてゆき、新しいビル、新しい道がつくりだされていく。工事現場のグレーのシートが風になびきながら、クレーンが動きビルを構築していく。一方でこの間まであったはずの古い長屋が、たったひとつの重機によって破壊され、ただのがれきになってしまっていた。
光は、何のためにこんなにも絶えまなく灯され続けているのだろうか。なぜ、新しいビルがつぎつぎと建てられてゆくのだろうか。私たちの生きる街はどこへ向かっているのだろうか。