鏑木清方は、植物をはじめ季節の風物を数多く写生しました。それを作品の制作に生かし、江戸や明治の風俗や季節の風情と女性の美しさを融合させた美人画を描き、大正の日本画壇において高く評価されました。
清方は肖像画も得意とし、自分を画家の道へ導いた三遊亭圓朝の姿を描いたことをきっかけに、肖像画の制作に熱心に取り組むようになります。実際に対面したことのない人物も、丹念に伝記や関連作品を読み解き、ゆかりの人に取材するなどして、その人柄を描き出しました。
本展覧会では、肖像画、美人画とともに、 季節の草花を愛した清方が自然の美を追求した作品や口絵を紹介いたします。