石川県金沢市を拠点に活動する彫刻家・芝山昌也(1972~)の岡山県内では初の個展を開催します。
芝山は、石を中心に様々な素材を用いながら、素材の神秘性を引き出すような彫刻を制作しています。近年は日本各地の古い石仏群や、先人の痕跡が残る空間を訪ね、そこでの感性の震えについて考えながら作品制作に向き合っています。芝山は「遠い憧憬から得られる感覚よりも自分たちに近い風景から得られる《生の感覚》を重視する」と言います。それは、単に日本的美意識にテーマを求めるのではなく、土に張り付いてきた先人たちの「痕跡」に触れようとするものです。
本展は日本の様々な文化に着目しながら、彫刻を通じてこの国の本質を探ろうとする意欲的な試みによる展覧会です。