入江泰吉の写真人生を振り返った時、数ある受賞歴のなかで注目されるのは71歳の時に受賞した第24回菊池寛賞であろう。これは写真集『古色大和路』(1970年)、『萬葉大和路』(1974年)、『花大和』(1976年)の三部作(いずれも保育社刊) が「古都奈良の社寺と自然を見事な写真芸術に仕上げた色彩美」として評価されました。この賞をきっかけに「大和路の写真家」として広く世に知られました。また60歳代に撮影された写真群には入江の代表作が数多く含まれ、最も充実していた時期でした。本展は、開館25周年記念として、 受賞作となった3冊の写真集から構成し入江の代表作約70点を展示します。