私たちは音を聞くだけではなく、見たり、振動(しんどう)として感じたり、においとともに感じたり、一方で音によって広さや遠さを感じています。
それは、私たちが音を聞くということを通じて得られる情報が、耳によってだけではなく、ほかの知覚(ちかく)やこれまでの経験(けいけん)、その場の環境(かんきょう)、などによって総合的(そうごうてきに)に形作られているからです。
たとえば、タンバリンをたたけば、縁(ふち)にあるシンバルがふるえるのが見え、タンバリンを持つ手には振動を感じます。雨が降(ふ)ってくると、雨の音とともに雨のにおいを感じたりします。また、体育館のような場所で大きな声を出した時の響き方によって、その空間の大きさを感じることができます。
今年のICC キッズ・プログラムは「オトノバ(音の場)」と題して、「耳」だけでなく、さまざまな感覚を通じて、また体を使って音を感じられる作品を展示します。作品を体験することで、身の回りの音をこれまでとは違った聞き方、見方でとらえられるようになるでしょう。