宗教においてその聖地に信者が赴くことを「聖地巡礼」といいます。最近では、映画や小説、アニメ・マンガの舞台となった場所や著名人と縁の深い場所も聖地と称し、そこを目指して人々が訪れることも指すようになりました。
さて、画家たちは、描くモチーフを様々なものに求めます。中でも、山や海、川、森などの自然風景や街の景観などを描く風景画は、その時代、その場所を後世に残す歴史的な遺産(レガシー)とも成り得ます。
画家たちが描いた鹿児島の風景は、おおよその「場所」が特定できるものも少なくありません。作品そのものを鑑賞する楽しみに加え、画家が訪れ、魅かれ、描きたいと思ったその「場所」に同じように立ってみれば、作品を味わう質が一段と深まるのではないでしょうか。その「場所」とは、どんなところで、今はどうなっているのでしょうか。郷土鹿児島への更なる愛着を深めるとともに、時の流れの変遷を確かめるため、画家たちの絵を追った旅に出かけてみました。
あなたも会場で聖地巡礼に出かけてみませんか。
鹿児島の風景画といえば、まず桜島が浮かびますが、画家たちは桜島以外にも様々な郷土を描き、その当時の景色や風俗、文化をわたしたちに伝えてくれています。画家たちが見て感じ、そして、レガシーとなった鹿児島の魅力をぜひ味わってください。