棟方志功の代表作に「海道シリーズ」がある。
これは、昭和39年に発表した「東海道棟方板画」「追開棟方板画東海道妙黛屏風」から始まり、「西海道棟方板画」(昭和45年・九州)、「南海道棟方板画」(昭和47年・四国)、芭蕉の奥の細道を辿る「奥海道棟方板画」(昭和48年)「羽海道棟方板画」(昭和49年)と続いている。棟方がこのシリーズでとらえた風景は、単にその景色を写すだけではなく、人々の暮らしに関わる風景を描いたものとなっているが、春の展示では「追開棟方板画東海道妙黛屏風」を主に、棟方の目がとらえた風景を板画、倭画、油絵などで描いた作品を紹介するほか、晩年に多く制作した棟方の心象風景ともいうべき作品を紹介する。