碧南市藤井達吉現代美術館では、このたび「所蔵作品展―新収蔵作品を中心に―」を開催いたします。作品の継続的な収集は美術館にとって重要な活動のひとつであり、本展はその活動の成果として、近年新たに収集された作品を市民の皆様へご紹介するものです。
当館が名を冠する藤井達吉の作品としては、六曲一双の屏風に朝日と富士を描いた大作《旭日瑞雲・不盡(富士)迎陽》をはじめ、藤井の活動を顕彰するにあたって重要と思われる作品の収集が進んでいます。
同時代を生きた作家の作品では、大正新版画を牽引した一人である山村耕花の版画作品が特筆されます。中でも代表作である《梨園の華》は、確かな来歴を持った一揃いが収集されました。これは全国的に見ても珍しいことで、本展ではその十二枚を一堂にご覧いただきます。このほか藤井とともにヒュウザン会に出品した鈴木金平や、交流のあった和田三造、津田青楓、藤井が一時期出品した再興院展に関わる作家、下村清時、落合朗風らの作品が新たに収集されています。
現代の作品としては、 全国的にも重要な香月泰男のほか、将来を嘱望されながら若くして亡くなった有元利夫、愛知にゆかりの深い日本画家、星野眞吾、高畑郁子、平松礼二、市野龍起らの作品が収集されたほか、展覧会の開催を契機として収集されることとなった田中茂生、山本富章、多和英子らの作品も見逃せません。
この機会に、碧南の新たな財産となった作品をどうぞお楽しみ下さい。