尾竹竹坡(明治11~昭和11)は新潟に生まれ、富山で青年時代を過ごした後上京し、日本画家としての道を歩み始めました。第四回、第五回文展で最高賞を受賞して一躍画壇の寵児となりましたが、第七回文展落選をきっかけに、実験的な日本画を描き始めます。その後、美術行政への不満に端を発する選挙への立候補、帝展に対抗した展覧会の開催など、過激な言動が注目を集めて毀誉褒貶(きよほうへん)にさらされましたが、晩年は特に写生に励み、精緻に植物、風景を描いた作品を残しました。
初めての本格的な回顧展となる本展では、約60点の代表的な作品と資料により、驚くほど多彩な作品を描いた竹坡の画業の全貌を紹介します。